当院での抜歯治療について

当院では、小さなお子様からご年配の方まで抜歯治療をご提供しています。

特に、ご高齢の患者様は慢性的な高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの病気をお持ちの方も多く、症状によってはすぐに抜歯を行えない場合もあります。

また、これらの病気のために服用されている薬によって抜歯が困難となる場合もあります。

当院では、ご高齢の患者様の抜歯に十分な配慮をして、綿密なヒアリングと細心の注意を払って処置を行います。

こちらでは、抜歯治療を受けるまえに注意するポイントについてご紹介いたします。

血栓症を持った患者様に対する抜歯治療について

血管を詰まらせないようにするため、血液をさらさらにする薬を服用されている方は、抜歯をした際に「出血しやすい」「血が止まりにくい」といった副作用が現れる場合があります。

当院では、抜歯を行う前に患者様がどのような持病を持っていて、どんな種類のお薬を飲んでいるかを必ず確認したうえで治療を行います。

抗凝固薬（ワーファリン）を服用している方の場合
ワーファリンを飲んだまま抜歯を行うと、通常より出血が止まるまでに時間を要します。

そのため、これまではワーファリンの服用を1週間ほど止めていただき、手術の翌日から再開してもらうのが普通でした。

しかし、近年ではPT-INR値（「出血時に値が止まりやすいかどうかか」をあらわす数値）が一定の基準にある患者様の場合は、そのまま抜歯を行っても問題がないことが分かっています。

PT-INR値の標準値を1として、これより大きい値の場合は「血が止まりにくい」、小さい場合は「血が止まりやすい」ことを表します。

この値が1.6～3あれば、抜歯を行ってよいとされています。
抗血栓薬（バイアスピリン、小児用バファリン）を服用している方の場合
抗凝固薬（ワーファリン）と同様に、PT-INR値が一定の基準にあれば、そのまま抜歯を行って問題ありません。
骨粗鬆症の治療薬を服用されている患者様の抜歯について

骨粗鬆症やがんの骨転移などに対して有効な薬として『ビスフォスフォネート系製剤（以下、BP製剤）』があります。

近年では、BP製剤の使用経験のある方が抜歯などの顎骨に刺激が加わる治療を受けると、顎骨壊死を引き起こし、疼痛や歯肉腫脹、排膿、歯の動揺、顎骨の露出などの症状を引き起こす危険性があることが分かっています。

BP製剤を使用している患者様は、治療を行う前に必ずドクターへ申告してください。

BP製剤を服用されている方の場合
以下の項目に当てはまる方は、手術を行う3カ月前にはBP製剤の服用を中止していただきます。手術後も、骨が十分に治癒するまではBP製剤の休薬が必要です。
  • 1. BP製剤の内服期間が3年未満でステロイド薬を併用されている方
  • 2. BP製剤の内服期間が3年以上の方
  • 3. 顎骨壊死の危険因子（糖尿病、喫煙、飲酒、がん化学療法など）を持った方
BP製剤内服期間が3年未満で危険因子のない方に対しては、通常どおり抜歯を行うことが可能です。