私たちが普段何気なく行っている些細なクセや習慣が、知らないうちに歯や顎にダメージを与え、身体に様々な影響を与えていることがあります。

例えば、日中の食いしばりや睡眠中の歯ぎしり。通常、脳は歯や顎に負担をかけないよう、噛む力を制限しています。

しかし、日々のストレスなどによって食いしばりや歯ぎしりが起こると、固いものを噛むときの約8倍の力が歯や顎に加わると言われています。

このような習慣が継続されると、歯や顎へのダメージが徐々に蓄積され、顎関節や噛み合わせに深刻な問題を引き起こす場合があります。

「顎に違和感がある」「慢性的な頭痛や肩こりを抱えている」という方は、当ページで紹介する内容をぜひ参考にしてください。

噛み合わせの歪みが引き起こす体への異常

噛み合わせが悪いことで、身体に様々な症状を招く場合があります。以下の項目は、悪い噛み合わせが引き起こす可能性のある症状の一部です。

当てはまる項目が複数あるかたは、一度当院にて検査を受けることをお勧めします。

お口の筋トレで口腔内環境が改善できます
  • 頭:頭痛、片頭痛、めまい
  • 顔:顔面の非対称、頬の張り、エラの張り
  • 首:張りや痛み、首がうまくまわらない
  • 耳:耳鳴り、難聴、痛み、閉塞感、めまい
  • 鼻:いびき、鼻づまり
  • 眼:眼の疲れ、視力低下、充血、痛み
  • 喉:飲み込み辛い、違和感
  • 肩:肩こり、張り、痛み
  • 腰:腰痛、曲がりにくい、ヘルニア
  • 神経系:手足のしびれ、顔面神経痛、自律神経失調症
  • 循環器系:冷え性、貧血、高血圧、動悸
  • 内臓:胃腸障害、便秘
  • 婦人病:不妊、ひどい生理痛や生理不順
  • 姿勢:体の傾き、歩行困難
  • 歯牙:しみる(知覚過敏)、擦り減り(咬耗)、歯牙が欠ける・割れる歯周病や虫歯になりやすい、歯が動く、根が折れる、頬の粘膜を噛みやすい、舌を噛みやすい、口臭の原因になる
噛み合わせの悪化を招く3つの習慣

噛み合わせが悪化する原因の多くは、私たちが普段何気なく行う習慣にあります。

特に、下記のような習慣のある方は、普段から十分に注意して対策を行っていく必要があるでしょう。

1. ストレスなどによる歯ぎしり・食いしばり
過度のプレッシャーやストレスを感じると、無意識に口周りの筋肉がこわばり、睡眠中や日中に食いしばりや歯ぎしりを引き起こします。

これらの習慣が継続的に行われると、歯に負担がかかって噛み合わせが悪化します。
2. 姿勢の悪さ
決まった方の足を上にして足を組む、バッグをいつも決まった方の肩に掛けている、睡眠中にいつも同じ方向を向いて寝ているなどの癖のある方は注意が必要です。

こうした姿勢が継続されると、徐々に身体が歪み、噛み合わせに影響が現れる場合があります。
3. 頬杖や噛み癖などの癖
あなたはテレビを見るとき、いつも決まった方向に向いて頬杖をつき、画面を見てはいないでしょうか?

こうした癖は、顔の一部へ継続的に力が加わることで、骨が変形して噛み合わせに悪影響を与える場合があります。また、食べ物を右の歯で噛むことが多い、といった噛み癖にも注意を払う必要があります。
噛み合わせの治療法
セルフケア
噛み合わせの悪化は、歯ぎしりや食いしばり、頬杖、うつぶせ寝、猫背など、日常生活での習慣や癖が原因となる場合が多くあります。

これらが原因となっている場合は、生活習慣を見直すセルフケアを中心に治療を行います。

基本は「顎に負担をかけないこと」。食いしばりや歯ぎしり、頬杖などの悪癖をしないように常に心がけてもらい、片方で噛まずに両方の顎で均等に噛むようにしていただきます。

また、顎の筋肉の緊張をほぐして関節まわりにかかっている負担を和らげるためのマッサージやストレッチ方法についてもご指導いたします。
鎮痛剤・消炎剤の処方
鎮痛剤や消炎剤を飲むことにより痛みと炎症を抑えます。慢性化した炎症を抑えて、痛みの軽減を図ります。
スプリント矯正
噛み合わせを修復する方法として、シリコン製やレジン製のマウスピースを装着して顎関節にかかる負担を軽減し、噛む位置を矯正するスプリントが効果的です。全体的な矯正治療や部分的な矯正を行い、噛み合わせを改善します。
マウスピースによる治療
食いしばりや歯ぎしりが歯の磨り減りを引き起こし、噛み合わせが悪化している場合には、これ以上磨り減りが起こらないようにマウスピースで保護する対策があります。

歯を削ることなく、マウスピースを調整することで顎の位置を正しい場所へと誘導します。

また、磨り減りが激しい方には、減ってしまった分の噛み合わせを修復するため、仮歯や矯正、セラミックなど、様々な治療アプローチを検討して症状の改善を図ります。

治療期間は症状の程度によって異なりますが、完治まで1年ほど見ていただきます。