歯並びの悩みを自分で解決!?自力で治せる可能性はあるの?
「歯並びが気になるけれど、矯正治療は高額だし時間もかかる…」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。インターネットやSNSでは、「自力で歯並びを治せる」といった情報を目にすることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか?この記事では、歯並びを自力で治せるのか、その可能性について詳しく解説します。また、輪ゴムを使ってすきっ歯を治す危険性や、歯並びが悪くなるのを防ぐ方法についても触れ、最適な矯正治療の選択肢について紹介します。
自分の歯並びを見てみましょう
まずは、自分の歯並びの状態を鏡で把握することが重要です。以下は一例ですが簡単なポイントを確認して、気になる点がないかチェックしてみましょう。
- 歯の重なり(叢生):歯が重なっていないか
- すきっ歯(空隙歯列):歯の隙間が目立たないか
- 噛み合わせの異常:前歯の嚙み合わせは深くないか(噛んだ時に下の前歯が隠れていたり、あまり見えていない)、前歯が噛んでいるか・噛んだ時に舌や口腔内が見えていないか
- 歯の傾き:歯が前後左右に傾いていないか
- 被蓋関係:上の歯と下の歯の位置が逆になっていないか。通常上の歯の歯列(アーチ)は下の歯の歯列より外側にあります。
- 正中線のズレ:上下の前歯の中心が揃っているか
自分でチェックを行うことで、歯並びの問題をはやめに発見したり適切な対策を検討できます。
自分は歯並びがいいと思っていても専門家から見るとそうではないこともよくあります、ご自宅でもぜひ見てみてください。
正中離開を輪ゴムで治す!?
インターネットで、「輪ゴムを使ってすきっ歯(正中離開)を自分で治した」といった情報を見かけた方がいるかもしれないです。一見輪ゴムだけでできれば簡単に早くできるかな?と思うかもしれませんがこれは危険な方法です。歯の矯正はそもそも歯科医師が精密な検査や診断をして治療計画を立てて行うものです、簡単にできるものではありません。以下リスクが考えられます。
リスク
- 歯や神経にダメージ
- 過度な圧力が歯の根に負担をかけ、歯や歯の神経が損傷する可能性があります。
- 歯茎の損傷
- ゴムが歯茎に食い込み、炎症や歯肉退縮を起こす可能性があります。
- 嚙み合わせの不調
- 嚙み合わせの調整ができないため、嚙み合わせの不調が起こったり、ずれた嚙み合わせにより一部分だけ歯に負担がかかってしまう可能性があります。
- 後戻りの可能性
- 歯が動いた後は保定装置という装置をしなければを動かした歯は元の位置に戻ってしまいます。一時的に隙間が閉じても、適切な保定をしなければすぐに元に戻ります。
結論:輪ゴムを使った方法では、長期的な歯並びの改善は期待できず、むしろ歯や歯茎にダメージを与える可能性が高いため、決して試さないでください。
歯並びが悪くなる前にできること
歯並びを完全に自力で治すことは難しいですが、幼少期であれば生活習慣や癖を改善することで、歯並びが悪くなる前に防ぐことができます。
- 舌の正しい位置を意識する
舌には正しい位置があります、正しい舌の位置は舌先が上の前歯の付け根あたりに位置し、舌の真ん中あたりまでは上顎についています。舌で前歯を押すような状態や舌が上顎についていない状態(低位舌といいます)が続くと上顎歯列が狭くなったり顎の位置が変わったりする要因になります。
- 口呼吸を防ぐ
口呼吸の方は舌を正しい位置にもっていくことができず結果として歯並びの悪化を引き起こす要因となります。鼻呼吸を意識し、口を閉じる習慣を身につけてみましょう。
- 頬杖や片側噛みをやめる
頬杖や片側ばかりで噛む癖は、顎の歪みにつながります。バランスよく食事を摂るよう心がけましょう。
- 硬いものをよく噛む
やわらかい食べ物ばかり食べると、あごの成長やかむ力に悪影響があるという研究もあります。子どもの頃にしっかりかまないと、将来、食べ物をうまくかめなかったり、飲み込む力が弱くなったりするリスクが高くなります。
食べ物をしっかりかむことで、あごの骨や筋肉が成長するだけでなく、脳も口の動きをうまくコントロールできるようになります。 しかし、やわらかい食事ばかりだと、この「かむ力」を育てるチャンスを逃してしまうのです。
日頃の生活習慣に気をつけることで、矯正治療の必要性を減らすことができます。
矯正治療の選択肢
もし嚙み合わせや歯並びで気になることがあれば矯正歯科で相談し適切な矯正治療を選ぶことが重要です。様々な矯正装置がありますが、主な矯正治療の選択肢として、以下のようなものがあります。
- マウスピース矯正(インビザラインなど)
- 1枚1枚違う形のマウスピースをはめて歯を動かしていきます。透明で目立たず、取り外し可能なため、日常生活に支障をきたしません。
- ワイヤー矯正(ブラケット矯正)
- 幅広い症例に対応できる昔からある矯正方法です。
- 小児矯正(Ⅰ期治療)
- 永久歯の生え始める約5〜11歳の子どもに適した治療法で、顎の成長を利用しながら大きな歯並びのズレを解消していきます。
矯正歯科に相談し、自分に最適な治療法を選ぶことが大切です。
矯正歯科に相談するメリット
歯並びの問題は、見た目の歯だけの問題ではなく骨の問題であったり癖の問題もあり正確に把握することが難しいものです。専門の歯科医師に相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 正確な診断が受けられる
- 口腔内の状態を詳しくチェックし、最適な治療計画を提案します。
- 安全で効果的な治療
- 医学的根拠に基づいた治療法を受けられるため、確実な結果が得られます。
- 将来的なトラブルを予防
- 適切な治療により、噛み合わせや機能面を改善し、健康な口腔環境を維持できます。
まとめ
- 歯並びを自力で治すのは難しく様々なリスクがあるため行わないでください。
- お子様は生活習慣や癖を改善することで歯並びの悪化を防ぐことが可能です。
- 歯並びに不安がある場合は、まずセルフチェックを行い、是非自分の歯に関心を持ってみてください。必要に応じて矯正歯科に相談することをおすすめします。
当院はJR下松駅から徒歩2分の所に医院がございます、関西は大阪梅田、京都市、和歌山市、東京渋谷に分院があります。
当院のマウスピース矯正の症例数は5000症例以上(※)あり、インビザラインではブルーダイヤモンドプロバイダーを受賞しております。関西でインビザライン矯正をお探しの方は一度無料相談(相談検査費無料)にお越しください。
※2014~2024年グループ全体の矯正治療症例数
治療内容
カスタムメイドで制作されたマウスピースを定期的に交換しながら少しずつ歯に適切な力をかけて歯並びを整えていく矯正治療です。
標準的な費用(自費)
矯正治療費、相談・検査・診断料 無料、調整料 無料
インビザライン(マウスピース治療)
198,000円〜899,800円(税込)
治療期間及び回数
症状によりますが、一般的に2年前後の治療期間となります。
通院回数は、治療段階によりますが、通常2〜3ヶ月に1回です。
副作用・リスク
装着時間が少ないと治療期間が長引く可能性があります。
他の矯正治療法と同様に、疼痛・歯根吸収・歯肉退縮の可能性や適切な保定をしないと治療後に後戻りすることがあります。
医薬品医療機器等法(薬機法)に関する記載事項
・インビザライン完成物は、日本国内において薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
尚、インビザラインの材料自体は、日本の薬事認証を得ています。
・「インビザライン」は米国アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザリアン・ジャパン社から入手しています。
・日本国内においては、同様の医療機器が薬事認証を得ています。
・インビザライン・システムは、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに900万人を超える患者さまがが治療を受けています。(2020年10月時点)
参考資料
「成長期の咬合負荷低下が、咀嚼運動の発達を阻害する」 ― 小児期における軟食の摂取が口腔機能の発育に与える影響 ―プレス通知資料(研究成果) 報道関係各位 2021 年3 月30 日 国立大学法人 東京医科歯科大学