頬の内側の「白い線」はなぜできる?歯科医が解説する正体とケア方法

大阪府岸和田市の中村歯科です。
歯磨きの最中や、ふと鏡で口の中を覗いたときに、頬の内側に「白い筋(すじ)」のようなものが走っているのを見つけて、不安になったことはありませんか?
「これって悪い病気?」 「自然に治るものなの?」 そんな疑問を抱かれる患者様は少なくありません。

この白い線の正体は、専門用語で「頬粘膜圧痕・頬圧痕(きょうねんまくあっこん・きょうあっこん)」や「白線(はくせん)」と呼ばれるものです。実はこれ、決して珍しいものではなく、ある調査では成人の半数近くに見られるというデータもあるほど、ごくありふれたお口の現象なのです。

今回は、この「頬圧痕」ができる本当の理由と、放置して良いものかどうかの見極め方について詳しく解説します。

1. 頬圧痕(白線)とは?そのメカニズム

どんな特徴がある?

頬圧痕は、頬の粘膜のうち、ちょうど上の歯と下の歯が噛み合う位置(咬合平面)に沿って現れます。

頬粘膜圧痕

【主な特徴】
  • 白い線状に、少し盛り上がっている
  • 舌で触れると、少し硬い感触やザラつきがある
  • 歯の並びに合わせて、波打った形をしていることがある
  • 基本的には痛みやしみる症状はない

なぜ白くなるのか?

主なメカニズムは、粘膜への「慢性的な物理刺激」による「過角化(かかくか)」です。 わかりやすく言えば、「お口の中にできたタコ」のようなものです。手や足に靴擦れやペンだこができるのと同じ原理で、頬の柔らかい粘膜が、歯によって長時間圧迫されたり擦れたりすることで、防御反応として皮膚(角質)が厚く硬くなります。その厚くなった部分が白く見えているのです。

2. なぜあなたにできる?考えられる4つの原因

「タコができる」ということは、そこに常に何らかの力が加わっている証拠です。主に以下の要因が考えられます。

① 無意識の「TCH(歯列接触癖)」

TCH

これは関与していることが多いと考えられる要因の一つです。
通常、リラックスしている時の人間の歯は、上下が接触しておらず、数ミリの隙間(安静空隙)があるのが正常です。 しかし、パソコン作業やスマホ、家事、運転などに集中している時、無意識に上下の歯を接触させ続けてしまう癖を「TCH(Tooth Contacting Habit)」と呼びます。 強い力で噛んでいなくても、「触れているだけ」で頬の筋肉は緊張し、内側の粘膜を歯に押し付けてしまいます。

② 頬を吸う・噛む癖

ストレスを感じた時や考え事をしている時に、頬の内側を吸ったり、軽く噛んだりする癖はありませんか?
これにより口の中が陰圧(吸い込まれた状態)になり、粘膜が歯の形に食い込んで跡がつきます。

③ 歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしり

寝ている間の歯ぎしりや、日中の強い食いしばりも大きな要因です。
頬圧痕があるからといって100%歯ぎしりをしているとは限りませんが、「お口に過剰な力がかかっているサイン」として捉えることができます。

④ 歯並びの影響(特に乱ぐい歯)

叢生

歯並びがデコボコしている(叢生)場合、列から飛び出している歯が常に頬の粘膜に当たり続けるため、そこだけ部分的に白くなることがあります。また、顎が小さく歯列のアーチが狭い方も、頬とのスペースが窮屈になりやすいため注意が必要です。

3. 「悪い病気」との見分け方

ほとんどの頬圧痕は良性で心配ありませんが、中には「白い線」に見えても治療が必要な病気が隠れているケースがあります。自己判断せず、以下の特徴がないかチェックしてみてください。

【安心できる頬圧痕の特徴】
  • ✅ 噛み合わせのラインと一致している
  • ✅ 左右両方の頬に同じようにある
  • ✅ 触っても痛みがない
  • ✅ しこりのような硬い塊がない

【歯科医院での診察が必要なケース】

以下のような症状がある場合は、早めにご相談ください。

A. 白板症(はくばんしょう)
白板症

  • 噛み合わせのラインとは関係ない場所にできている
  • こすっても取れない、厚みのある白い板状の変化
  • 一部が赤くなっていたり、しこりがあったりする
  • (※前がん病変の可能性があるため、専門的な診断が必要です)
B. 口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)
口腔扁平苔癬イメージ

  • 白い線がレース状(網目状)の模様になっている
  • 辛いものや熱いものがしみる、ピリピリ痛む
  • 金属などの刺激が関係することもあります
C. 口腔カンジダ症

  • 白い苔(こけ)のような膜ができている
  • ガーゼなどで拭うと剥がれるが、その下が赤くただれている
  • 体力が落ちている時に出やすい真菌(カビ)の感染症です

4. 気になる場合の改善・対処法

頬圧痕自体は病気ではないため、痛みがなければ無理に消す必要はありません。しかし、「見た目が気になる」「原因となっている食いしばりを治したい」という場合は、以下のようなアプローチが有効です。

① 「脱力」を意識する(セルフモニタリング)

無意識のTCH(歯の接触)をやめるには、「気づくこと」が第一歩です。 おすすめは「貼り紙」作戦です。 テレビの横、トイレ、パソコンのモニターなど、目につく場所に「歯を離す」「リラックス」と書いた付箋を貼ります。それを見たら「今、噛んでいないか?」を確認し、深呼吸をして肩の力を抜く習慣をつけましょう。

② 頬のストレッチ

口の中に空気をためて頬を膨らませる「プクプク運動」などで、内側から筋肉をストレッチするのも効果的です。緊張して硬くなった頬をほぐすことで、粘膜への圧迫を和らげます。

③ ナイトガード(マウスピース)の活用

就寝中の歯ぎしりが強い場合は、専用のマウスピース(ナイトガード)を装着することで、歯や粘膜にかかる負担をクッションのように軽減できます。

④ 矯正治療

歯並びが悪く、特定の歯が物理的に当たっていることが明白な場合は、矯正治療で歯列を整えることが根本的な解決策になります。

まとめ:お口からの「お疲れサイン」かもしれません

頬の内側の白い線は、多くの場合「お口のタコ」であり、直ちに危険なものではありません。
しかし、それは「無意識に歯を食いしばっている」「ストレスで口元が緊張している」という体からのサインである可能性があります。

【こんな時は中村歯科へ】

  • 白い線に痛みやしみる感じがある
  • 形や大きさが急に変わった
  • しこりや赤みがある
  • 自分の歯並びや食いしばりが原因か知りたい

当院では、粘膜の状態確認はもちろん、その背景にある噛み合わせや習癖まで含めたトータルな診断を行っています。
「ただの跡かな?」と思っても、不安なことがあればお気軽に大阪府岸和田市の中村歯科へご相談ください。
岸和田市で、皆さまのお口の健康を守り続けます。

▼お口の悩み、中村歯科へご相談ください

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患者さまお一人おひとりの状態に合わせた、適切な対応をご提案いたします。


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参考文献・情報源

参考文献

本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療診断やアドバイスではありません。

以下の場合は、必ず当院または医療機関にご相談ください:

  • 口腔内に痛みや違和感がある
  • 白い病変が持続または悪化する
  • しこりや出血を伴う
  • 全身的な症状がある
  • 既往症や服薬中の薬がある

症状や適切な対処法は個人の状態により異なります。自己判断せず、必ず歯科医師の診察を受けてください。
記事中の習癖改善法やエクササイズの効果には個人差があり、すべての方に同じ効果があるとは限りません。
漢方薬に関する記述は一般的な情報であり、使用には医師・薬剤師の指導が必要です。記載内容は頬圧痕の直接的な治療として推奨するものではなく、関連症状への対応として検討される場合があるという情報提供です。
本記事の医学情報は2026年時点のものです。最新の情報については当院にてご確認ください。